この、終わり行く空の下
 
始まりの前にも物語がある。物語の終焉のあとに、何かがあるのと同じ様に。
そしてこの物語にも、世界が終わるという前提が必要である。
記歴、それは記述された歴史の名。
エダによりて導かれ、人が読んで書き換えた、そんな歴史の物語。
背景世界

 背景となる世界は「主世界」と呼ばれる、ある可能性世界群の幹世界。
 自らを現行人類と呼称する物達がこの世界の担い手である。
 この世界において可能性世界は樹形図のように枝分かれした概念として扱われ、これは世界樹モデルと呼ばれている。

 主世界は「結果的にこうなった」世界であるが、主世界の住人である現行人類は歴史工学を手中に収め、「あるいは、こうだったかも知れない、より良い可能性」を世界樹の幹たる主世界に取り入れることで自らの歩んできた歴史とその結果としての現在、そして未来をよりゆたかで確実なモノにしていった。
主世界  主世界が実現しなかった可能性としての世界。それ故に実在と言うよりは幾分仮想の概念的なものである。
 歴史工学においては可能性世界の分岐を世界樹モデルで説明するが、これらの概念をより実在的なものとして扱うことによって属世界の可能性を主世界に顕現させる。
 言うなれば別な可能性をたどった世界の姿である。
 現行人類の技術、概念レベルにおいては主世界に可能性として取り入れることはできるが枝世界に行くことはできない。それは彼らにとって世界樹の枝があくまでも「あったかも知れない」ものに過ぎないからである。
属世界/枝世界  ある世界のあり得る可能性の範囲を可能性世界と呼ぶ。
 歴史的に「もし○○だったら」的なイメージである。
 人類全体に影響を及ぼす出来事を分岐と見なし歴史の分岐を樹形図のように世界をとらえる世界樹モデルがこの世界ではとらえている。
 歴史を遡った過去で分岐した枝はより遠く、異なった世界となる。もっとも、結果だけ見れば似たような可能性も多くあることだろう。

 この世界においては採用されていないが、あまねく総ての選択を内包する「波動モデル」による可能性世界もかんがえられる。 可能性世界